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2016-07-29 | なかのひと6号

ひと 本池 巧教授

「メディア情報学部記者クラブ」便りNO.13 (配信日:2014/11/04)
メディア情報学部の教員・授業・催し・施設・先輩等々の魅力について、メディア情報学部でマスメディアを学ぶ学生記者が取材し、レポートします。

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アニメーション制作演習、DTP演習、3DCG演習など、デジタルデザインコースの授業を主に担当する本池巧(もといけ・たくみ)教授は、もともとは理論物理学を専門とする理学博士である。

以前勤めていた短大では、コンピュータのプログラミングを教えていた。プログラミングを習得することで、学生は会社の即戦力になることができた。しかしコンピュータシステムは急速に進化し、複雑になっていく。2~4年の授業で即戦力になることに限界が来たのだ。そこで先生は考えた。「プログラミングに加えて、Webデザインやゲーム制作を取り上げよう。それが即戦力に至る中間点になるはずだ」。以来、この路線を貫く。

授業では、センスを教えるのではなく、誰でもある程度の制作ができるようにし、そのできる範囲でどれだけ突き詰めて行けるかを念頭に置いている。初期のゲームは、表現の枠がかなり狭い。そんな中で「インベーダーゲーム」や「パックマン」などのヒット作が誕生したのは、狭い表現の枠の中で突き詰めた結果といえる。今も有効な方法である。

ゲームは、音楽や映像など最初からシナリオがあるものとは違い、シナリオの流れを自分の手で変化させることが出来る。ゲームはインタラクティブなものであり、「今までの映像や音楽では表現できず、太刀打ちできない分野」と本池先生は話す。

スマートフォンが普及し、インタラクションが大きく変化した。タッチパネルによって気持ちの良いインターフェースが確立してきたのだ。今まではマウスを使い、ボタンを押すことで画面が開き、スクロールバーを上下にドラッグすることで画面がスクロールするのだが、タッチパネルによってダイレクトに伝わるようになった。

今後求められるのは、システムデザイナーと、システムエンジニア・プログラマーの連携だという。デザイナーは、どんな動きが人間にとって気持ちが良いかを知っているが、それを実装するための手段(技術)がない。逆にエンジニアは、プログラミングを使ってあらゆる動きを再現できるが、どんな動きが気持ちが良いのかはわからない。エンジニアとデザイナーの接点が今のところないからだが、まずはエンジニアの側が気持ちの良い動きとは何かを知ることが大切だという。

高校生の皆さんに是非やってほしいのは、「手や体を動かして体験すること。見るだけでなく、触ったり、においを嗅いだり、落とした時の振動の音を聴いたり……。感性が研ぎ澄まされている今の時期にしっかりと観察し、それを自分で表現して伝えられるようにしてほしい」と話す。スマートフォンが普及した時のように、未来のシステムエンジニアやデザイナーが新しい技術を開発する鍵は、私たちの「感性」にあるのかもしれない。

(瀬戸ゼミ4年 上原孝太)

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