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2016-07-29 | なかのひと6号

ひと 鈴木猛史さん

「メディア情報学部記者クラブ」便りNO.16 (配信日:2015/01/02)
メディア情報学部の教員・授業・催し・施設・先輩等々の魅力について、メディア情報学部でマスメディアを学ぶ学生記者が取材し、レポートします。

20141225media_02冬季パラリンピック・ソチ大会のアルペンスキー(座位)、回転で金メダル、滑降で銅メダルを獲得した鈴木猛史(すずき・たけし)さんは、現在駿河台大学の経営戦略室に勤務する職員。スポーツや芸術などの分野で優れた業績を収めた人に贈られる紫綬褒章をパラリンピック出場者として初めて受賞するなど、内外で高い評価を受けているトップアスリートだ。世界を舞台に華々しい活躍を見せ、多くの人を魅了する鈴木さんだが、私たちにとっては、4年前に本学文化情報学部(現メディア情報学部)を卒業した先輩であり、日頃からお世話になっている大変身近な存在。その鈴木さんにインタビューした。

鈴木さんは福島県の出身。小学校2年生の時に交通事故で両足を失い、車いす生活になった。その後、両親の勧めでスキー教室に参加。チェアスキーを始めた。健常者の人たちと同じフィールドに立てたことが嬉しかったと振り返る。熱心な練習でメキメキ腕を上げ、中学3年時に日本代表として世界選手権に初出場。高校2年時には、パラリンピック・トリノ大会に出るまでになった。

大学でも競技を続けたい鈴木さんが進学先に選んだのが、駿河台大学。学内に整備されたバリアフリー設備、スキーの練習が十分にできる環境、地元福島県のように自然が豊かな地域にあるところが魅力だったという。大学では、練習と勉強を両立させる充実した日々を送ったが、試合で、年に数回もの海外遠征を余儀なくされ、勉学面でも、経済面でもとても苦労したそうだ。しかし、その都度、「目標はパラリンピックでのメダル獲得。そのために苦しむのは当たり前」と強く言いきかせていたという。そのかいあって、在学中に挑んだバンクーバー大会(2010年)では、大回転で銅メダルを獲得することができた。

高い目標を設定し、それをあえて意識することでモチベーションを持ち続けるという姿勢は、今も変わらない。目下の鈴木さんの目標は、2018年に韓国・平昌で開かれるパラリンピック大会で、出場可能な5種目すべてで金メダルを獲得すること。「限りなく困難で不可能に近い目標であり夢だが、諦めたら絶対に実現できない」と語るその目からは、強い決意がうかがえた。

最後に、これから大学を目指す若者へのメッセージをお願いすると、「常にチャレンジすること」とキッパリ。「失敗を恐れてチャレンジをためらう人もいるが、失敗したとしてもその経験がきっと役に立つ時が来る」。鈴木さん自身、チャレンジして怪我をしたが、そのことでプロとしての未熟さを痛感、目が覚め、その後の飛躍につながったという。

さらに、毎日を楽しむことを心がけてほしいとも話してくれた。「私がそうであったように、人はいつどうなるか分からない。常に”いま”を大切にしてほしい」。

取材中、終始笑顔で、時にジョークを交えながら質問に答えてくれた鈴木さん。そういった明るくフレンドリーな性格が、たくさんの人に慕われ、同時に勇気を与える存在であり続けている理由であることを改めて感じることができた。

(瀬戸ゼミ4年 浅山康平)

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